診断結果・治療方針

診断結果について

主治医説明

検査入院から退院して三週間後の2015年10月30日、診断結果を伺いに慶應義塾大学病院に外来で訪れる。

各種負荷試験の結果、原発性アルドステロン症であることは間違いないとのことだった。

原発性アルドステロン症の治療方法は、左右のどちらかの副腎が悪い場合は悪い方の副腎を切除。

両方が悪い場合は投薬治療ということをあらかじめ聞かされていた。

私の場合は「まだ年齢が若いので、一生薬を飲み続けるよりは、悪い部位を切除することで根本治療とすることが望ましい」とのことだった。

さて、左右どちらの副腎が悪いかということだが、両方の太ももの付け根からカテーテルを入れた静脈サンプリングの結果、左側の副腎からは5か所から採血が行われ数値の結果、完全に悪いということが分かった。

副腎 検査結果
副腎 検査結果

問題は右側の副腎である。

普通の人は太ももの付け根から副腎まで伸びる血管が、途中から一本になって副腎まで達する構造だそうなのだが、私の場合特異体質で、「二本のまま上に上がっていっているという、非常に稀なケースである」とのこと。

従って、右側の副腎までカテーテルが完璧に達することができず、1か所からしか採血することができなかったそうだ。

左の副腎は完全に悪い。しかし、右の副腎が悪いかどうかは不明というまさかの結果に。

これには言葉を失った。

手技の間、医師たちが別部屋で集まって何やら話をしていたのはこのことだったのか。

あれは小休止じゃなかったのか。

治療方針について

というわけで、今後の治療方針としては投薬により定期的に様子見ということとなった。

原発性アルドステロン症 対処療法用の処方箋
原発性アルドステロン症 対処療法用の処方箋

根本的な治療ではない。
過剰に排出されるアルドステロンを抑え、血圧を下げるだけの対処療法にすぎないのだ。

処方された、アルドステロンを抑制するセララ、血圧を下げるアムロジンを毎日飲み続けなければならないのである。このセララという薬は、「グレープフルーツジュースとの併用は避けるように」とのこと。

自覚症状は全くない。毎朝起床と共に体重と血圧を測り、現況を把握するしか方法が無いのだ。

ただ、いくら「悪い」といっても臓器一つを切除することへの不安は感じていた。

「左右二つあるので大丈夫」とのことだが、切除してしまったら二度と生えてこない。本当に大丈夫なのだろうか?そのうち切除しなくても良い治療法方法が出てこないだろうか?

しかし根本的に完治すべき方法が無い難病であることも事実。

さて、診断結果と方針が出た以上、この先の人生、原発性アルドステロン症とどのように向き合い、受け入れ、そして付き合っていくか。

生活上の注意としては、「食塩の摂取量をひかえて(1日6~7gまで)、血圧のコントロールをしっかり行うことが最も重要」とのこと。

繰り返すが、この病気は、副腎からのアルドステロンが過剰に排出されることにより、カリウム不足となり、塩分を上手く排出することができないため水分を蓄えようとし、高血圧となるメカニズム。

従って、「ラーメンのスープは飲み干さない」など、塩分を抑え、カリウムを多く含む食材を摂取し、余計な要因で高血圧を招かぬよう内臓脂肪を減らすために減量も必要だろう。

栄養バランスも再考する必要があるだろう。

これを転機に、なんだかんだで今まで放置してきたが、どうやら戦略的に生活習慣の改善を図らねばならないところに来たようだ。

戦略・戦術:現況把握についてへ続く

このサイトの歩き方

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このサイト、わりと長編ですので、ご興味のあるコンテンツから読んでいただければ幸いです。

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八日目 退院(まとめ)

秋晴れの慶應義塾大学病院:2015年10月
秋晴れの慶應義塾大学病院:2015年10月

検査入院最終日 退院

日曜日を一日挟んだので計8日間の入院生活であった。

検査入院最終日のスケジュールは、採血のみで午前中に退院手続きとなる。

今回の検査入院生活の総括(まとめ)は以下の通り。

「入院=ヒマ」という概念は療養型?

検査入院の場合タイムマネジメントがとても重要で、説明を受けた事項をビジネス手帳にすべてスケジュールとして落とし込み、何のための検査で、何を行うのかをきちんと把握しておく必要がある。

それでも予定がずれこんだり、相手側の手違い、計測機器の故障、消耗品が欠品しているなど、不測の事態が起こることもあるのだ。

これは日常においても言えることなのだが、

「何事も人任せにせず、必ず主体的に取り組むべき」

というのがわたしのつたない人生経験での教訓だ。

「体脂肪を計る」という、かなり優先順位の低い検査だが、昼食を抜いて待っているにも関わらず、予定時刻をかなり過ぎても看護師も担当医も来なかったり、消耗品のパットが欠品していたり、機器が正常に動かないなどということがあった。

新米医師と二人一組で診療していた先輩医師より、計測用機器が使用できないにも関わらず目検で

「見るからに岡村さんは肥満状態です」

と断言され、そこは否定できないので思わず笑ってしまった。

接遇マナー、チーム医療について

医師、看護師含む慶應義塾大学病院のスタッフの接遇マナーは素晴らしかった。

見習の医師、看護師、検査技師には必ず先輩がついており、現場教育を非常に大切にしている体制を伺うことができた。

特に臨床経験がものをいう医療現場のスタッフは一朝一夕では育たない。

様々な患者に向き合い、経験を積むことでしか一人前にはなれないのだ。

これは私も学生の頃バイトで、看護師、ケアエイドと三人一組で巡回訪問入浴サービスを行った経験、ナース専科という看護師向け専門情報誌のサイト制作に携わった経験、そして、複数の大規模病院のサイト構築を行ってきたことで、医療現場の抱える悩みや実態などを肌で感じてきたからこそわかることなのだ。

ある大病院の研修医プログラムのコンテンツを作成した経験があったので、伊藤教授が何人もの研修医を引き連れて私の診療しているところを研修医に直接見せる場面に遭遇し、「ああ、私の作った研修医プログラムのコンテンツは現場ではこのようにしているのだな」ということが経験できた。

入院中の工夫

ヘッドフォンとフランクリン

モーツァルトやベートーヴェンなどのクラシック音楽をiPhoneにて持ち込み、高性能ヘッドフォンで聴くことで、入院生活を優雅に送ることができるだけでなく、同部屋の他の患者の生活音などが気にならない。

ビジネス用のマネジメント手帳(フランクリンプランナー)を用い、その日のスケジュールを把握することで空き時間を効率よく使うことができる。

つまり、この空き時間に普段の生活ではできないことを行うのだ。

具体的には昼寝をしてもいいし、名作を読んでもいい。

私は職業柄、サイト制作の専門誌を数冊持ち込み、実習をしたりしていた。

新米医師が「岡村さんはいつも難しそうな本を読んでいますね」

と感心していたのが印象的だった。

病室での研究
病室での研究

「基本はいつも繰り返し練習て体で覚えておかないと、忘れてしまいますからね」

と答えておいたが、これは自分への言い聞かせ的な側面もある。

野球経験者の私は、毎日の基礎練習、つまりキャッチボールやトスバッティングの大切さを知っている。

同部屋の患者さんについて

私なんかよりももっと辛い病を抱えている患者さんを目の当たりにしてきた。

重度の糖尿病で夜中にナースコールで痛みを訴え、人工透析を繰り返す人

目の手術をした後でうつ伏せで寝ることを強いられている人

骨髄移植をする人

神経麻痺と鬱病を合併している人

彼らの日常も、病気を抱えて生きていかねばならない辛い人生。

それに比べたら私の病なんて、自覚症状もないため、日常生活に支障はきたさないということで、健康の大切さ、日々の健康チェック、生活習慣、人間ドックや定期的な検査の受診の大切さを再認識した次第である。

原発性アルドステロン症は、「悪い方の副腎を切り取れば治る」とのことだが、8日間の検査入院生活を通じて半ば強制的に、この病気を抱えて今後どうしていくかを深く考えさせられる良い機会となった。

さあ、これで退院はするが、完治したわけではないのだ。

やり残したこと、変えたくないこと、趣味、生活習慣、ストレスとの向き合い方など、取り巻く環境を冷静に分析し、ここいらで手を打っていく必要がありそうだ。

診断結果・治療方針へ続く